「最近なんでこんなに忙しくなったんですかね?」という話題が会社を問わず頻繁に持ち上がる。
理由は2つだ。
・「働いた時間」ではなく、「成果」が問われている
・指示されて動くわけではない人、自分で仕事を組み立てなければならない人が増えている
なぜそう言えるのか。
成果を出そうとすれば、常に時間が足りないからだ。
成果とは作業と違い、本質的に「いつ終わる」かが不確定だ。だからできるだけ行動を増やして、「その中のどれかが当たる」ことを期待して動く。だから、成果をあげるには、試しながらやるしかない。
だから、成果にコミットする、ということは同時並行でたくさん仕事を進めなくてはならない、ということと同義である。
よく「失敗しろ」「失敗した方が良い」と言われる。
ユニクロの柳井氏は「一勝九敗」という本を出しているが、それは「10回のうち1回勝てば良い」という意味ではなく、「とりあえず10戦せよ。話はそれからだ」という意味だ。
失敗した方が良い、というよりは「失敗が必然」なのである。
働いた量ではなく質で判断される、知識労働者の働き方は、「時間あるかぎり働く」という考え方 と深く結びついている。例えば
「あと何時間働けば、バズる記事がかけるのか?」
「あと何時間作業すれば、価値あるwebサービスが作れるのか?」
「あとどのくらい頑張れば、目標達成できるのか?」
といったことは誰もわからない。わからないので「成果が出るまで働く」のだ。知識労働者は、時間に対して報酬を受け取る現在の法制度と、ここが根本的に相容れない。
だから、その人が「仕事ができる人かどうか」を判断する材料の1つに、「時間に対する考え方」がある。なぜならそれは、成果に対する姿勢を色濃く反映するからだ。
・報酬は「作業」に対するものであり、労働時間が早く過ぎて欲しいと思っている人は、「ブルーカラー、ホワイトカラー」である。
・報酬は「成果」に対するものであり、時間がいくらあっても足りないと感じる人は、「知識労働者」である。
これは、多くの人がご存知の通り、どの会社に行っても普遍的な事実だ。そして、「知識労働者」となった人が、大きな報酬を受け取り、知識労働者を集めた会社が勝利するのは、現在の必然的流れになっている。
消費者がレベルの高い商品、サービスを求める限り、それは終わらない。
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人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書):熊代亨 著
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